ある日突然、座った時に「お尻・肛門」がヒリヒリ痛むのが「痔」
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ねこ茶:
寒い日に椅子に座っておったら、急にお尻が痛むのぅ~。 お尻の左側が痛いのぅ~。 |
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グミにゃん:
それ、もしかして「いぼ痔」じゃない? |
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メイにゃん:
でも、お尻だと痛くても言い出しにくいよね。 |
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グミにゃん:
まずは、どんな種類の痛みなのか調べなくちゃ! 「痔」にも色んな種類があるんだよ。 |
お尻の痛みを冷静に分析しましょう…(ヒリヒリ、ジンジン、キリキリ、鈍痛)
昨日まで何の不調もなかったのに突然、「お尻・肛門」がヒリヒリと痛み出すことがあります。お尻の痛みの原因は、患部が肛門付近の場合、「痔」の可能性があります。 「痔」にも、いくつかの種類があり、「痔の種類」によって症状も痛み方も全く異なります。
まずは、ご自分の「痛み」が、どのような種類なのか確かめましょう。
- お尻・肛門が「腫れ・出血」、「ヒリヒリ痛む」、「座ると痛む」…「いぼ痔」の症状
- お尻・肛門が「出血」、「キリキリ痛む」、「鋭い痛み」…………「切れ痔」の症状
- お尻・肛門が「膿と出血」、「体温が高い」、「鈍痛」…………「痔ろう」の症状
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痔は、人に相談しにくい疾患なので、一人で悩みを抱え込んでいる人も多いと思います。
ですが、「痔」は特別な病気ではありません。
なんと成人の半数以上が、お尻に痔を持っていると言われています。ドイツの解剖学者が、成人の遺体を解剖したところ約70%の人が痔主だったそうです。アメリカでも、1982年にヘンリーフォード病院のハース博士が病院の外来患者(肛門科以外の患者)を診察した結果、約8割の人に痔核を見つけることが出来たと述べています。ですから、たとえ今は自覚症状が無い人でも、ちょっとした原因(重いものを持つ、出産、長時間座る等)で、痔の症状が現れるようになります。
人間は四足歩行の動物とは違い、お尻が心臓より下にあるので「うっ血」しやすく、「痔」にもなりやすいのです。
痔は、生活習慣病で、虫歯と同じように皆がなる病気だと考えて、恥ずかしがる気持ちを捨てましょう。 痔の症状が、現れてきたら早めの専門医による受診が大切です。
早期の治療を始めると、殆どの場合、薬と生活改善だけで症状を消すことが出来ます。
ねこ茶も、すぐに「いぼ痔」の治療を始めたおかげで、今は薬も使わずに生活できています。
痔には、症状別に大きく分けて3つの種類あります
痔核 [いぼ痔] |
直腸肛門部の血行が悪くなり、血管の一部が膨れ上がります。 肛門内部の場合は内痔核、肛門外の場合は外痔核と呼ばれています。 特徴…出血、ヒリヒリした痛み、腫れ、しこり |
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裂肛 [切れ痔] |
切れ痔とも呼ばれています。硬い便によって肛門上皮が裂けたり、傷ついたりすることによって痛み、出血するようになった状態です。 切れ痔は、痔の中でも自然治癒できる種類の痔ですが悪化させると手術が必要になることもあります。 特徴…出血、キリキリしたお尻の痛み、鋭い痛み |
痔瘻 [痔ろう] |
細菌感染が原因で、膿が出ます。多くの場合、慢性的な下痢、ゆるい便で肛門周辺に雑菌が残ることが原因です。 痔瘻(痔ろう)は、初期であっても手術を受けるしかありません。 特徴…出血、化膿、体温が高い、鈍いお尻の痛み |

痔核・裂肛・痔瘻についての詳しい解説は下記のリンクへ
痔の疾患の男女差
痔の疾患の中で約半数を占めるのが痔核(イボ痔)です。痔瘻(痔ろう)は男性に多く、裂肛(切れ痔)は女性に多いことが分かっています。
痔瘻(痔ろう)の原因は、下痢やゆるい便による細菌感染ですが、なぜ男性に多いのかは不明です。
また、裂肛(切れ痔)の原因は便秘や硬い便なので、便秘になりやすい女性に患者さんが多いです。
※1960~1991年:社会保険中央総合病院大腸肛門病センターによる外来の統計
長時間座る生活をしていると若い人でも痔になります
痔に年齢は関係ありません。歳を取っている人間の方が筋肉や組織が衰えているのでなり易いですが、PCや携帯機器、ゲーム機など、長時間座ることが当たり前となった現代では、たとえ若くても痔になります。 とくに事務作業がPCで行われるようになってからは、書類やファイルを取りに立ったり、コピーしに行ったりなどせずに座ったまま作業に没頭することが多くなっています。
長時間、立ち上がることなく座りっぱなしという習慣は、将来的に痔になる可能性がとても高いです。予防の為に、時々席を立って歩くようにしましょう。
普段から長時間座る仕事をしている人は「1時間作業したら少し立って歩く等」決めておくと効果的です。トイレに行くだけでもお尻の「うっ血」を解消するのに十分効果があります。
海外での「保存的療法」が9割以上ですが、日本人は「痔」を悪化させやすい
海外では、薬や生活改善のみによる「保存的療法」が痔の治療の主流となっているそうです。手術の割合は、アメリカ:4%、イギリス:5%、ドイツ:7%となっています。ですが日本の場合、手術の割合統計は「10数パーセント」でした。
それは、日本人の多くが痔の症状が悪化するまで病院に行かないからです。日本人が、痔の症状を感じてから受診を受けるまでの期間は「約7年」にもなるそうです。
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