痔瘻(痔ろう)の手術方法

痔瘻(痔ろう)の手術法は「切開開放術、シートン法、括約筋温存術」の3つ

メイにゃん:
肛門周囲膿瘍と痔瘻(痔ろう)は、お医者さんによって言ってることが、
違うから混乱するね!
グミにゃん:
痔ろうの手術方法も、「括約筋温存術」と「シートン法」の
どちらを選ぶか病院によって違うんでしょ?
ねこ茶:
病院によって手術法の好みがあるようじゃな。
メイにゃん:
じゃあ、痔瘻(痔ろう)の手術を受ける前に、
その病院の治療方針を知ることが大事ね!
ねこ茶:
それと、痔瘻(痔ろう)の手術は、高度な技術と経験が必要じゃ。
多くの症例をこなしている専門医に治療・手術を受けることが大事じゃ。

痔瘻(痔ろう)の手術は、経過観察をしてから行う

痔瘻(痔ろう)の前段階である肛門周囲膿瘍になると、お尻の中が化膿して、激しい痛みや高熱が起こります。とても苦しい症状なので、この段階で病院に行く患者さんが多いようです。

この肛門周囲膿瘍の段階では多くの病院では、手術はしません。化膿して腫れている箇所をメスで切開して、膿を取り出し、抗生物質を投与するだけで処置を終えます。

この処置によって、約半数の患者さんは、痔瘻(痔ろう)の段階に進むことなく完治しますが、膿の管が体内に形成されてしまうと、完治させるためには次のような手術が必要になります。

s基本的には単純なタイプの痔瘻(痔ろう)の場合は「切開開放術」、複雑なタイプの痔瘻(痔ろう)の場合は「シートン法」、「括約筋温存術」のいずれかの手術法を行います。

病院によって「シートン法」を優先して選ぶ所と、「括約筋温存術」を優先して選ぶ所があるようですから、痔瘻(痔ろう)の患者さんは両方の手術法のメリット、デメリットを知っておいた方が良いでしょう。

 

手術は、痔ろう(I~IV型)に対して違う方法で行う

痔ろうの手術は、昔は1~2か月の入院を必要としましたが、現在では、II型痔ろうで約10日間、III型痔ろうでも2週間程度で済むようになっています。

痔ろうが医療機関で確認されると、治療方法は「手術」を行うことしかありませんが、I・II・III・IV型、それぞれの痔ろうタイプに合う手術法が選択されます。

どの手術においても、原発口、原発巣、二次口のすべてを取り除くことになります。

 


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痔瘻(痔ろう)の手術法-1:「切開開放術」

痔ろうの手術画像

痔瘻(痔ろう)の手術方法で基本となるのが「切開開放術」です。
「切開開放術」は、図のように、膿の管を入り口から出口まで切開して開放するという手術法です。

手術の後一ヶ月くらいで下から肉が盛り上がってきます。この手術法は、I型、II型痔ろうで適用されます。

 

■「切開開放術」の問題点:
「切開開放術」は、痔瘻(痔ろう)の手術方法として、とても優れた手術法なのですが、膿の管のある場所、通り方によっては、括約筋を大きく傷つけてしまうことがあります。

痔瘻(痔ろう)の膿の菅が、浅い位置にある場合は良いのですが、深いところにある場合、括約筋も一緒に切ってしまうのでお尻に引きつりが起きてしまいます。

お尻の締りが悪くなり、肛門が横を向いてしまったり、お尻に深い溝が出来てしまったりします。

このような問題が発生する可能性のある痔瘻(痔ろう)の場合、「シートン法」、「括約筋温存術」という手術法を用います。

 


痔瘻(痔ろう)の手術法-2:「シートン法」

痔ろうの手術画像

特殊なゴム(シートン)を使った痔瘻(痔ろう)の手術方法です。
痔瘻(痔ろう)の管を取り除いた後、特殊なゴム(シートン)を痔瘻(痔ろう)の穴に通します。

人間の身体は異物(ゴム)を身体の外に押し出そうとするので、ゴムは段々身体の外側に向かっていきます。最終的には、「ゴム」が「痔瘻(痔ろう)の穴」と一緒に身体の外に出ます。

ゴムが身体の中を移動している際にも、身体の組織は修復を繰り返しているのでゴムが通った場所は自然に治癒して元通りになります。
肛門周辺の変形が起こることも少なく、短期入院でできる手術法です。手術の難易度、術後の再発率も「肛門括約筋温存術」より低めです。

「肛門括約筋温存術」の適用が難しいタイプの「痔ろう」や再発の可能性が高い「II型痔ろう」に適用され、欧米を中心に良く使われる手術法です。

 

■「シートン法」の問題点:
しばらくの期間(長い場合には数ヶ月)、肛門にゴムをつけたままにする必要があり、ゴムが緩んできたら病院で締めなおす処置を受け続ける必要があります。
ゴムをきつく締めすぎると激しい痛み、肛門の変形、膿の取り残しなどが発生します。

 


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痔瘻(痔ろう)の手術法-3:「肛門括約筋温存術」

痔ろうの手術画像

「肛門括約筋温存術」は、括約筋を残すように膿の管を取り除く痔瘻(痔ろう)の手術方法です。
痔瘻(痔ろう)の原因となっている、膿の管の出口と入り口部分だけを切除するということです。

その結果、痔ろうの管の一部は肛門括約筋の中に残ることになりますが、「原発口・原発巣」を取り除くと自然に消えていきます。

「肛門括約筋温存術」では、体の奥に膿の管の一部を残す際に出口(皮膚側)の方は傷をすべて縫ってしまわずに、膿を出すことが出来るように出口を残しておきます。
これによって、残りの膿を出し切ることで完治させます。

「肛門括約筋温存術」のメリットは、皮膚と括約筋はすべて残っているので、手術後の後遺症の心配が殆どないことです。

この手術は、I・II・III・IV型痔ろうに適用され、入院期間は、約10日程度です(III・IV型の場合は入院期間が長くなる)。

 

III型・IV型痔ろうの場合は、より複雑な手術になる

III型痔ろうの場合は、管が肛門括約筋の深い部分まで走っています。そのため、手術は肛門側から掘り進めるように行い、原発口・原発巣を取り残さないように除去します。

痔ろう管・原発巣・原発口を除去した後は、穴が残ってしまうため丁寧に縫合し、さらにお尻から持ってきた筋肉を充填して縫合します(筋肉充填法)。

手術に使われる糸は6週間ほどで自然に溶けて消えるので抜糸の必要はなく、肛門の締まりが悪くなるなどの後遺症もほとんど発生しません。

この手術の入院期間は約2週間ほどです。また、IV型痔ろうでは、III型痔ろう手術をより拡大して行います。

 

■「肛門括約筋温存術」の問題点:

膿の管の一部が体の奥に残っているため、「切開開放術」より、痔瘻(痔ろう)の再発の可能性が高いことです。

「切開開放術」の場合は、再発の可能性ほぼ0%ですが、「括約筋温存術」の場合は、10~30%位の確立で再発すると考えられています。

また、難しい手術になることが多いため、日帰り手術は不可で、1週間~2週間程度の入院が必要です。

 


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