肛門科の診察は「恥ずかしく」ないように改善されている
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グミにゃん:
どうして日本人は、痔になってから平均7年間も放置するの? |
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メイにゃん:
やっぱり、他人にお尻を見られるのが恥ずかしいからでしょ! |
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ねこ茶:
そう考えるのが普通じゃが、実際に病院に行くと、 そんなに恥ずかしくはなかったのう。 |
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メイにゃん:
それは、ねこ茶が「変」だからじゃないの? |
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ねこ茶:
いや、病院側が患者さんへの配慮をしているからじゃよ。 |
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福にゃん:
小さな病院程、患者さんに気を使っている場合が多いニャ! |
痔の診察で最初にすること
昔の痔の診察は、患者さんのプライバシーや羞恥心に配慮せずに行われていましたが、現在では患者さんが「恥ずかしい」と感じないように、診察方法が見直され、改善されています。
例えば、受診の際に名前では呼ばずに「受付番号」で呼ぶことや、問診の最中に他の患者さんに話を聞かれないようにする等の配慮が行われています。
診察を受ける前には「予診票」を記入する
肛門科の病院での受付を済ました後は、「予診票」が渡されて、患者自身が待合室で記入することになります。
予診票を最初に記入することで、医師が予め来院した理由や症状を知ることが出来るので、問診がスムーズに進みます。
予診票で質問される内容は以下のようなものです。
1.便 通 | 便の形状や硬さ、排便回数は? 残便感はあるか? |
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2.腫 れ | お尻に腫れはあるか? どこが、どのように「腫れる」のか? |
3.かゆみ | お尻にかゆみはあるか? どこが、どんなふうに「かゆい」のか? |
4.分泌物 | お尻から分泌物があるか? いつ、どこから、どのような物が出るのか? |
5.脱出物 | 肛門から何か脱出物があるか? いつ、どんな時に脱出するのか? 脱出物が、自然に戻るか? 手で押し込めば戻るかどうか? |
6.出 血 | 肛門からの出血は? どんな時に、どれくらいの出血があるのか? |
7.痛 み | 痛みはあるか? 痛みの種類、どのような時に痛むか? |
肛門科の病院に行く前に、上記の質問内容を把握して、どう答えるかを考えておきましょう。
「問診」で痔の自覚症状についての質問が行われる
患者さんが医師の部屋へと案内された後は、医師が予診票を観ながら「問診」が行われます。
患者さんの痔の症状について、いろいろな質問がされますが、この時診察室には「患者」「医師」「看護師」の三者しかいないので、他の患者さんに問診内容が聞かれないよういなっています。
ですが、大きな病院などでは、一度にたくさんの患者さんを診察するので、診察室がカーテンのみで仕切られていることが多く、問診内容が他人に聞こえてしまいます。
小さな肛門科クリニックの方が、患者さんへのプライバシー配慮に気を使っているので、初めて肛門科へ行く際には、大病院よりも小さな病院の方が良いかもしれません。
「ねこ茶」も「肛門科」の大病院に行きましたが、カーテンで仕切られた大きな診察室で「みんなで一緒に診察する方式」でした。
一応、男女は分かれていましたが、それでも恥ずかしいと感じる人は、大病院は避けた方が無難です。
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痔の診察の姿勢(格好)は「シムス体位」になっている
昔の肛門科の診察では「砕石位」が主流でしたが、この姿勢は多くの患者さんに対して酷い羞恥心を与えていたため、今では「シムス体位」が多くの病院で行われるようになっています。

シムス体位は、上図のように横向きに寝て少しだけ下着を下げる姿勢です。
この姿勢では、診察中に医師と患者さんの視線が合うことがないので、あまり恥ずかしさを感じずに済みます。
肛門の診察1: 「触診と指診」
痔やその他肛門の病気を調べるためには、医師が直接、肛門や直腸の粘膜に触る必要があります。これを触診・指診と言います。
ゼリーやワセリンで滑りを良くしたゴム手袋を付けた医師が肛門周囲を触って調べ、肛門内に指を入れて内部まで診察します。
指診は、痛みや不快感を感じることがありますが、大事な診察なので、ゆっくりと深呼吸をしながら身体の力を抜いて受けるようにします。
この指診によって肛門、直腸付近にある
- 肛門狭窄
- 裂肛の状態
- 直腸ポリープ
- 内痔核、外痔核
- 痔ろうによる、トンネルの位置や深さ
などが診断できます。
肛門の診察2: 「肛門鏡検査と大腸内視鏡検査」
触診・指診が終わると、次は肛門鏡、大腸内視鏡という検査器具での検査になります。
●肛門鏡検査
肛門鏡による検査は、「ストランゲ型肛門鏡」と「筒形肛門鏡」によって行われ、「内痔核、裂肛、痔ろう、直腸下部」を診察するために行います。
●大腸内視鏡検査
病巣が直腸にあることが疑われる場合に、直腸の深部を調べる検査です。
直腸の便を排出してから、チューブ先端に高性能カメラを装着した検査器具を肛門に挿入して行います。
大腸検査鏡によって、患者さんの大腸内部の様子をモニターに映し出すことが出来ます。
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診察を終えたら、医師から治療方針の説明がある
一通りの診察を終えると、医師からの病名や治療方針についての説明があります。
この時、手術が必要かどうかの説明、痔を改善するための生活指導なども行われます。
痔の症状を改善するための生活指導は、以下の内容になります。
- 患者さんの仕事のストレスについて
- 睡眠のとり方について
- 食事のメニューを見直す
- 毎日の排便を改善する
- 毎日、適度に運動を行うこと
初診から約3か月は外来で経過観察する
痔の治療では、通常、初診から3か月程度は症状の経過観察をして、手術が必要かどうか等を判断します。
経過観察を終えた後は、手術が不要の場合は、生活改善によって痔の症状が「改善・回復」に向かっているかどうかを定期的(数か月に1回)にチェックします。
痔の治療では多く場合、生活の改善によって症状を回復させる「保存療法」が行われるので、医師の生活指導のもとで、患者さん自身の「病気を改善させる努力」が必要となります。
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